今年もまた、当室の庭に、ドクダミの花が咲きました。緑のあいだに白い花が点々と灯って、庭がふと明るくなります。気ぜわしい日でも、土に触れながらあの可憐な花を摘んでいると、いつのまにか心がほどけてくるから不思議です。
毎年眺めている花ですが、今年はひとつ、思いがけないものに出会いました。ドクダミの白い部分は葉が変わった「総苞片(そうほうへん)」というもので、ふつうは四枚。ところが一輪だけ、七枚をもつものがあったのです。五枚でも「ラッキードクダミ」と呼ばれるそうですから、七枚は、ちょっとした奇跡かもしれません。
毎年見慣れた群落の中に、こんな一輪が潜んでいたとは。しばらく見入ってしまいました。心が静まって、はじめて見えてくるものが、あるのかもしれません。
摘んだ花穂(かすい)は、今年も焼酎に漬けこんで。虫よけや肌の手入れにと、毎年この時期のおまもりのようなものです。梅雨の前のひととき、また庭に出ることにいたしましょう。


