住宅街の小さな自然

 当室は住宅街にある心理相談室です。

 最寄り駅からは遠く、便利な場所にあるとは言えませんが、ここで面接を行うようになって気付いたことがあります。それは部屋から、空の色の変化が見えることや、鳥の声、虫の声、風に揺れる木の葉の音が聞こえることでした。 

 時には、初夏の夜には「ホーッ、ホッホホッホ」と、フクロウの鳴き声も聞こえます。

 フクロウ…というと、森にしかいないものだと思っていました。でも確かにフクロウの声なのです。外に出て暗闇に目をこらすと声がやむので、向こうからはこちらが見えているのでしょう。近くにいるのだけれど、まだ姿を見たことのない…不思議な存在です。

 そのような住宅街の小さな自然を時々感じながらの面接ですが、季節や時間帯、天候によって、景色や空気感が違います。生きているものを感じながら、面接や心の勉強を行えるというのは、ささやかですが恵まれたことなのかもしれません。

 自然界には揺らぎがあると言われます。揺らぎは心や体のリラックスによい影響を与えるそうですね。

 面接で心という大切なものに向き合う際、面接室や面接室を取り巻く環境が大きな意味合いを持つことがあります。来室される方にとって当室での時間が豊かな時間になればと考え、日々面接を行っています。